2011/03/03

セルジュ・ゲーンズブール没20年

セルジュ・ゲーンズブールが亡くなってちょうど20年という事でラジオでは彼の歌が沢山流れてました。彼が作った歌は一度耳に入ったら忘れられないものが本当に多く、また他の歌手たちにもいい歌をたくさん提供してます。
僕が好きな歌は沢山ある中で、やはり1958年、彼がメジャー・デビューした時の『リラの切符きり』です。軽快なテンポは今聴いても新鮮です。パリに来た頃は地下鉄には切符をきる人はいませんでしたが、鉄道の駅にはまだいましたね。。。 昔はじめて東京に出た頃、切符をきる職員さんたちが奏でるハサミの音がとってもリズミカルなのに感激したものです。



彼が歌を提供した歌手は沢山いますが、その中で最も有名なのは、フランス・ギャルが歌い世界中にヒットした『夢見るシャンソン人形』です。





彼女は日本語でもレコーディングしてましたね。子供の頃に大流行して、姉がいつも唄ってました。。。


あとあまり有名ではないですが、僕がとても好きなのは『プレヴェールのシャンソン』という歌です。彼が詩人ジャック・プレヴェールが作詞した名曲『枯れ葉』を慕いながら、恋を失った自分を慰めている姿を描いてます。ちょいと唄いだすと数日間は頭から離れないくらい哀愁ある歌です。口ずさむと必ず廻りにいる人が一緒に口ずさむ位このメロディーは皆の心に浸透しています。




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この頃出版されたナボコフの小説『ロリータ』の影響は多大でしたが、ゲーンズブールは『ロリータ演出』の先駆者でもあります。デビューしたフランス・ギャルのために作った歌には「シャンソン人形」のようにロリータ的要素が多大あり、その中でも極めつけは『アニーとボンボン(Les Sucettes)』で、これはペロペロキャンディーが大好きなアニーという女の子を歌ったもです。PVでは今で言う「コスプレ」をして彼女は歌ってました。童謡のテンポで歌われるこの歌は子供達の間でも流行りました。しかしゲーンズブールはこの歌に二重の意味を含ませており、飴を舐めることをフェラチオとを二重にかぶらせていました。大人達はすぐにその意味が解ったのですが、10代だったフランス・ギャルは全く裏の意味も解らずこの童謡を録音したそうで、その真意を知った時は愕然とし恥ずかしさのあまりに自分の部屋に閉じこもってしまったというエピソードがあります。ホント罪作りなオトコです。。。(笑)

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LES SUCETTES

Annie aime les sucettes
Les sucettes à l'anis
Les sucettes à l'anis
D'Annie
Donnent à ses baisers
Un goût ani-
Sé lorsque le sucre d'orge
Parfumé à l'anis
Coule dans la gorge d'Annie
Elle est au paradis

Pour quelques pennies Annie
A ses sucettes à l'anis
Elles ont la couleur de ses grands yeux
La couleur des jours heureux

『アニーとボンボン』
アニーはキャンデーが好き。
アニスの香りのキャンディー
アニーのアニスのキャンディーは
キスの後にアニスのいい味を残してくれる。
アニスの香りのするお砂糖が
アニーの喉を通るとき
彼女は天国のような気分

わずかなペニーでアニーは
アニスのキャンディー買えるのよ
彼女の大きな目のような綺麗な
幸せな色のキャンディーを。
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ゲーンズブールは晩年まで挑発的な発言やパフォーマンスで話題をまく人物を演じていましたがで、この『アニーとボンボン』は最初のエピソードでしょうね。


いつか彼の全曲入ってるCDボックス欲しいです。

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