2009/08/27

おろし蕎麦とイカそうめんと七右衛門

御清水を後にして青空を見上げると「入道雲」、久々に見ましたね~。湿気の多い日本の夏ならですね。フランスでは殆ど見ない雲ですね。
そして小腹が空いたんで、七軒通りに戻り「福そば」というおそば屋さんに入りました。どうってこともない店先ですが、実は福井のそば好きな人たちがやってくる名舗なんです。以前、知人に富山県から高速道路を飛ばして食べにくる人がいました!実は僕も大野へ来る理由の半分はここの「そば」を食べる事にあります。(笑)
まず最初に「イカそうめん」を注文。日本海の新鮮なイカのとろける甘さに、大野の綺麗な水で育ったわさびが効いて絶妙な味でした。このわさびだけでごはんが食べれそうです!
そしてお待ちかねの「おろしそば」。伊万里焼きのお皿に入って綺麗いです。
ここでちょいと大事な話。福井で「おそばを食べる」というと、それは「おろしそば」のことを意味してます。かつおでとっただし汁に、大根おろしが入っていてそれを、おそばに掛けて食べるんです。大根の先の方を使ったおろしは辛くて美味しいです。だし汁も関西のうどんのだしに近いんですが、おろしの汁と混ぜ合わせてちょうどよくするのに、すこし濃いめにつくるのが秘訣だそうです。福井で美味しいおそば屋さんめぐりは、この「おろしそば」を食べるんです。
「福そば」の蕎麦はもちろん国産、しかも大野で採れるそばの実を使っており、その「そば粉」は特に県外に出荷されていて、福井でも手に入れるのは難しいそうです。注文したのは、そばの実の中だけを使ったそば粉で、つなぎなしの十割そばです。ン~っと思わずうなってしまうくらい、実に美味しかったです。

店を出る頃には御主人が店先で粉を打ってました。そのすぐ横では電動の石臼がゆっくりと粉を挽いていました。

何年か前の夏に「そば打ち体験」をしたんですが、やはりつなぎを入れてしたんですが、いつかそば粉だけ打てようになりたいですね〜。

ーーーーーーー
そして、イカの刺身と蕎麦と言えば、やはりお酒ということになりますが。まぁ、お昼からアルコールはちょっといただけないんで、その代わりに、酒屋さんを訪ねることしました。やはり七間通りにある『花垣』という酒屋で、昔ながらのずっしりとした店構え。
そして店内に入るとお店の人はとても親切で、丁寧にお酒の事を説明してくれます。ちょうど今は、酒づくりでは一番暇な時だそうで、杜氏さんたちは休暇をとっていました。いろいろ話してくださったのは柏倉さんという笑顔のとても素敵な方で酒造りを愛してるって感じでした。そうそう、アルザス地方に行った時はかならず行くの白ワインの製造元があるんですが、そこの若社長が白ワインをいつも情熱的に語ってくれるんです。何かその人と柏倉さんは雰囲気がそっくりでした。国はちがっても求めるているものは同じなんですね~。
話がドンドン進んで結局酒蔵を見せてくれることになり、ひんやりと暗い蔵をいくつも見せてくれました。米の収穫が始まるとてつもなく忙しくなるんで、当然とても外部の人は入れないそうでとてもラッキーでした!

ここで使うお米は「山田錦」と「五百万石」だそうで、それを大吟醸のために40パーセントまで削ったお米も見せてもらいました。そしてここでは35パーセントまで削ったものも使うらしいです。そして色々なお酒を試飲もさせてもらいました。
そのなかで、僕が一番気に入ったのは『七右衛門』(右端)。これは昔の美味しいお酒の味がする感じで、大吟醸ブームで華やかな味が主流な今には珍しく哀愁を感じるお酒。。。だと言うと、柏倉さんはニッコリして「実はこの酒を初めて飲んで、僕は北海道からバイクでこの大野まで来たんです」と言いました。そして大野に居着いて10年になるそうです。実は、彼は大のフランス映画ファンだという事がわかり、またまた話が多いに盛り上がりました。ルコント監督やカラックス監督の作品がお好きだそうです。

そして4本違うお酒をかいました。写真の3本ともう一つ「花垣純米大吟醸」というのを選んだら、このお酒は長い間、JALファーストクラスのお酒に選ばれていたと教えてくれました。別れをつげて店を出ると軒下には「杉玉」がぶらさがってました。新酒を搾り始めるとこれが緑の玉になるそうで、その色具合でお酒の熟成度を知らせるらしいです。本当に楽しい酒蔵訪問に感謝感激でした。
ーーーーーーーーー
帰りはバスで福井まで、途中車内で「次は、なかつがわ」とアナウンスされた時、思わず停車ボタンを押してしまいました。父の仕事の関係で、僕はこの中津川に幼年時代を過ごしました。僕の「遥かなまち」です。

住んでいた処は昔のままで、少しも変わってません。。。夕陽が美しく田んぼを照らしてました。

自分の背丈よりも大きい、山芋畑でよくかくれんぼをしたものです。
皆でホタルを採りに来たこの小川の名前は何て言うんだろう。。。 
小さい頃、皆「せんたく川」と言ってました。母が洗濯する間いつも近くであそんでました。
1時間に一本のバスの時間まで、この辺をうろうろしましたが、夕陽がちょうど川の真正面に沈んで行き、ラッキーでした。

0 件のコメント:

コメントを投稿