2012/02/19

Goudemalion / ジャン・ポール=グード展


1990年にシャネル専属の調香師ジャック・ポルジェが作った男性用香水『エゴイスト』のCFです。監督はフランス人のジャン・ポール=グード。この年のカンヌ映画祭のコマーシャル部門で金賞を獲得。あっという間にこの香水の名が世間に知れ渡りました。
そしてグードはその数年後、ココ・シャネルに歌姫ヴァネサ・パラディを鳥籠に閉じ込め、またまた世間を驚かせます。
『香り』というものを伝えるのは写真や映像では所詮不可能な事で、結局そのビジュアルが表現する世界がたった30秒でどの位見た人に深く印象付けるかが課題となるのでしょうが、グードのこの二本は傑作だと思います。
近年のシャネルのCFは、ニコル・キッドマンやオドレ・トゥトゥが出てる作品のようにストーリーのある正当派的な短編映画が主流ですが、この頃の時代のクライアントは奇想天外でクリェーティヴな案をどんどん採用してましたね〜。


先週の木曜日にルーブル宮の一角にある装飾美術館でジャン・ポール=グードの展覧会『Goudemalion /グードマリオン』を見てきました。彼は「CM界の鬼才」と言われるアート・ディレクター、その40年間の仕事が展示されていました。入り口ではフランス革命200年記念のパレードに使われた衣装とマネキンに迎えられます。
そして階段を上がるとやはり革命200年記念パレードに使われた機関車がドカーンとありました! これは名監督ジャン・ルノワールの1938年の映画『獣人 La Bête humaine 』の一シーンからとったものです。
最初の部屋には、彼の子どもの頃の絵が飾ってありました。なかなか上手いものです!
「ブラックビューティー」を炸裂させたグレーシー・ジョーンズ。ピグマリオンならぬグードマリオンのミューズとして彼女は沢山の作品に参加しています。
デジタル時代前、手作業によるポジ・フィルムのカッテイングとコラージュ作品。
どれもこれも「あっ、あれだ!」とか記憶にのこっているイメージが殆どでした。
ビョークとのコラボレーション。
ジャン・ポール=グード氏自身が作品を説明しながらガイドしてくれてとても面白かった。
そして最後の部屋は、李朝最後の王妃、閔妃(みんぴ)を描いた作品。彼の夫人がモデルで、乙未事変で暗殺された王妃が剣を手にして復活してくるというイメージです。ここで観客の中で一人だけ東洋人だった僕に彼が話しかけてきて、アジアにこの展覧会が巡回する話が出ているらしく、「そうなると韓国でも日本でもこの部屋は展示できないかもしれない。。。」と説明してくれました。
ヨーロッパでは全く問題のない作品ですが、確かに日本や韓国では未だに議論となってる「暗殺事件」で、いわゆる「腫れ物に触る」ような内容かも知れないけれど、だからといって巡回展にあたり内容を変えなければならないというのもアーチストにとって過酷なことですね。もし展示されないとなると残念です。
表現の自由。。。

Jean-paul Goudeのオフィシャルサイトです 

4 件のコメント:

  1. ヴァネッサ・パラディのこのCM、大好きでした~!
    大好き、というか、当時、嫉妬とないまぜな、複雑な気持ちで観ていたのを思い出しました(←おこがましいのですが)

    エゴイストのCMは初見です。楽しいヴィジュアルですね。

    それと、お花のイメージ、見たことあるけど、・・・何でしたっけ?
    すごく印象的で、一目で大好きになって、その昔も今もじっと見入ってしまいました。女っていいな、と思った1枚です。

    ジャン・ポール=グード、お名前は知らなかったのですが、
    覚えておきます。

    ビョークとのコラボ作品、もっと観たい!

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    1. ヴァネッサ・パラディの唇がなんとも可愛くて妖艶です。

      そしてお花に埋もれたピンクの乳首が美しい。。。(笑)

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  2. 何度もごめんなさい。
    グードのサイトを観てきました。
    お花のイメージは、キャシャレルでしたね。
    香水だったのかなあ。

    96年の作品なんですね。
    今でもぜんぜん通用しますね・・・・

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    1. 彼が80年代に作ったコダック社のカラーフィルムのCFがとても新鮮でした。
      フランスでは誰もが憶えている映像です。

      今でも充分通用しますよね。これって石岡瑛子さんのように
      まずは自分の世界観がしっかりとあるからなんでしょうね。

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