ピーター・フォークが死んだ。享年83才。60年代には既に沢山の舞台や映画やドラマに多数出演していた彼は、70年代にコロンボ刑事の役を演じて一躍世界的に有名になりました。僕もリアルタイムで観てました。家族揃って毎週楽しみにしてました。
最初から犯人がわかっている中で、コロンボがふらっと現れ、そしてのらりくらりと核心に近づいていくのが堪らなく面白かった。そして犯人は大抵が上層階級か知識人で、それを安月給でヨレヨレのレインコートを着たコロンボが見事に制する光景に世界中の庶民は感動したのでしょう。
ポンコツのプジョー403が彼の愛車でした。フランスで最初に仲良くなった友人が403に乗っていたんで、僕はおもわず「オォ、コロンボ!」って叫んでしまったのを憶えています。(笑)
そしていつの日かファンの目には「コロンボ刑事」がピーター・フォークを超えてしまっていました。ちょうど「寅さん」が俳優渥美清を超えてしまったように。。。
しかしコロンボ以前にも彼はヒッチコックのテレビドラマなどや他にも沢山出演しています。また映画俳優としてもフランク・キャプラやジョン・カサヴェテスという名監督たちとも素晴らしい仕事をしています。
特にカサヴェテスの作品での彼は素晴らしい。「ハズバンズ」ではベン・ギャザラとカサヴェテス自身と共演しています。
そして「こわれゆく女」(A Woman Under the Influence)では狂気にとらわれてゆくジーナ・ローランズの夫役は感動的でした。
した。初期のコロンボ刑事シリーズではローランズ(左)やカサヴェテス(中)もゲストスターとして、つまり犯人役として出演してます。
あと60年代のカルト的テレビドラマ『プリズナー』で有名なパトリック・マックグーハンも何度もコロンボと対決しシリーズの名作をのこしています。こう思うと昔のテレビドラマはすごく質の高いものが多かったですよね。。。
悲しいかなピーター・フォークは数年前からアルツハイマー病に苦しんでいたそうで、自分がコロンボ刑事を演じたことも忘れてしまっていたそうです。 何ともせつないですね。。。
87年にヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』では本人役で登場、しかも元天使だった役でした。 彼は見えないけれど天使ダミエル(ブルノ・ガンツ)の存在を感じることができ、彼がダミエルに淡々と話しかけるモノローグが印象的だった。。。
一度地に降りた彼、また昇天してしまった。安らかに眠って欲しい。。。
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