2011/06/02

聖フランチェスコ聖堂

(Photo: loui-garden /wikipedia)
さて今回のイタリアのヴァカンス最後の日。アレッツォの聖フランチェスコ聖堂の中の礼拝堂にピエロによって描かれた大壁画群を見ることができました。修復作業のために15年間見れなかったのですが、ようやく以前の輝きを取り戻して2000年にまた一般に公開されるようになりました。
実はその昔、80年代初頭にはじめてヨーロッパに遊びに来た両親とフィレンツェに数日間滞在した際に電車で半日かけて、ここまで往復しました。この壁画はキリストが磔刑により死んだ聖なる十字架の伝説をシリーズで描いたもので、ピエロ・デラ・フランチェスカの最も重要な作品です。
12あるエピソードの中に『コンスタンチヌス帝の夢』という絵があるんですが、僕にとって最も不思議な絵のひとつです。何処から来てるのか解らない光り。。。今までこの壁画は夜を描いたものとして認識されていたのですが、今回の修復で背景の空に次第に早朝の明るみが現れてくるのが解ったそうです。。。
そして今回この壁画を前にしてはじめて気がつきました。空から舞い降りる天使の右手に光る十字架を見つけました。
このようなディテールは画集なんかでは絶対に解らないですよね。。。
=====
オシマイ。。。


3 件のコメント:

  1. 本当ですね、こういうディテールは画集ではわかりませんね!

    この手の中の十字架や、舞い降りてくる角度からも、
    このあたりが薄明るいのは納得いきますね~。

    空が白んでくるタイミングでこの効果って、
    夜の絵だと思うよりもぐっと来ますね。
    素朴に、「絵が描けるってすごい」と思いました。


    それと、修復ができるというのもすごいですよね。
    デリケートな仕事なんだろうなあ。

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  2. 何度もごめんなさい^^
    さっき書き忘れちゃったので。


    大壁画郡、きれいですね。
    色彩が明るくやわらかいので、こうして郡で見ても軽やかできれい!
    カトリック教会にありがちな暗く重たいものとは違って、
    素直に素敵と思えますね。

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  3. >>Joe さんへ。

    コメントありがとうございます。
    そう明るみと夜の境目の『ブルータイム』って感じです。
    実物を見るまで光源が十字架だったとは気がつきませんでした。
    先の修復に使った石灰質のため変色してきたのを
    15年以上もかけて直したそうです。

    ピエロの色彩感覚は別格のような感があります。
    ルネッサンス時代の壁画のなかでも、これは最も近代的な作品だと思います。
    そして空から舞い降りる構図などはとても斬新ですよね。

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