2010/05/13

メッツ・ポンピドーセンター美術館別館オープン

パリから330km程東へ行ったところにメッツという街があるのですが、そこにパリのポンピドーセンターの美術館の別館がオープンしました。

オープンの招待状が届いていたので行ってきました。
TGVで行こうかどうか迷っているうちに席はなくなってしまい、車で行くことにしました。ヴェルニサージュは15時からで「時間厳守」ということ、お昼は途中でサンドイッチということにして、慌てて車に飛び乗りました。幸い東へ行く高速A4号線はウチから数分で乗れるんで助かりました。結構飛ばしてちょうど3時間でつきました。美術館には15時30分に着きセーフでした。
話題は何と言っても、日本の建築家である坂茂氏が設計した建物です。その斬新なデザインは、できあがる何年も前から話題になってましたが、今回実物を見てかなり感動しました。目玉はこの全て木で出来た構造体の屋根です。
その発想が素晴らしく東南アジアで使われている傘帽子からヒントを得られたそうですが、これを実現させるには気の遠くなるようなすごい計算が必要なんだろうなぁっと、見上げながら、文字通り開いた口が塞がりませんでした。
兎に角、同じカーブのものが一つもないのですから大量生産ができず、ひとつの巨大な彫刻のようなものです。
そして肝心の美術館のエキシビジョンは「企画展」というよりは、倉庫に埋もれていたポンピドーセンターの莫大なコレクションの中からセレクトされて展示されたものでした。時間が早かったんで人が少なく観て廻るのも快適でした。
パリのポンピドーセンターが出来た初めの頃は良く通っていたんで、懐かしい作品が殆どでした。「そうだ、そうだ、これもあった。」とつぶやきながら見てました。
ボナールの大好きな絵です。燃えるようなオレンジ色の室内と黄色の風景、いつみても感動です。
あまり見る事のできない、バルチュスの晩年の作品。やはり画集で見るのとは違いマチエールの美しさに目を惹かれました。
これも晩年のマチスの作品、切り絵ですが『ジャズ』と題する一冊の本になってます。
そしてすべての原画が展示されており文字通り「圧巻」でした。
昨年のパリでの『カンデンスキー展』で見た大好きな作品もありました!
先日お墓を見てきたブラックの絵もその実物のマチエールが素晴らしかった。
コンテンポラリーではイタリアのペノンの作品がドンと入り口ありました。こういう真っ白な新しい空間には彼の作品はあまり似合わないような気がしました。
女性作家ルイズ=ブルジョアの巨大な作品。
デュッシャンの「レディメイド」
珍しいのはタトリンの「第三インターナショナルのためのモニュメント」の大きな模型です。これもポンピドーセンターがオープンした頃に展示されていたものですが、ずうっと倉庫に眠ってました。なんか坂茂氏の屋根と共通するものを感じます。
そして最後の階は見事に坂氏の建築を生かした演出でディスプレーされていました。遠くにメッツの大聖堂が眺望できます。
最後にレセプション会場へ。沢山の「アミューズ・ギョル」があり、昼は小さなサンドイッチだけでお腹はペコペコだったので嬉しかったです。食べ物も飲み物も質のいいものばかり、シャンパンもワインもいいものばかり、僕は運転があるんでジュースと水だけでしたが。。。不景気はどこ吹く風とでもいいたくなるような豪華なレセプションでした。まぁたった一度のオープンの祭り事ですから当然かも。美術館内に人が少なかったのは、皆こちらにいたからと納得。でも結構な人にもかかわらず沢山テーブルがあって余裕で食べれました。
デザートも色んな種類のものが沢山あって、凄く美味しかったです。この僕が4個も食べちゃいました。そして濃くて美味しいエクスプレッソを頂いて外にでると19時半を廻ってました。入り口には長蛇の列が出来ていて、やはりこの時間から沢山の人がやってくるものですね。
大雨の中、また飛ばして22時半にパリに戻れました。本当は直前までメッツまで行くの迷っていたのですが、駆け足でも行ってとてもよかったです。
次回またゆっくりとシャンパーニュ地方をドライブしながら来てみたいものです。




2 件のコメント:

  1. 斬新なデザインですね・・
    間近で見たらもっと迫力があるんでしょうね。
    思い描いたモノをカタチにして表現できるって
    すごいです。

    日本人建築家がフランスで活躍されているのは
    何だか嬉しい気持ちになります♪

    また色々見せてくださいね。
    楽しみにしています!

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  2. >>REI さんへ。
    そう,凄い迫力でした。
    やはり日本人として嬉しいです。
    これからも頑張って欲しいものですね。

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