2011/02/19

アルチュール・ランボーの謎の写真

フランスの詩人アルチュール・ランボーがうつっている写真の数はとても少ないのですが、去年奇跡的に1880年頃のものが一枚見つかり、各メディアで大変な話題になってました。

ランボーは20歳のときに『イリュミナシオン』を書いたあと、突然詩を書くのをに止めてしまいます。。。
その後彼はヨーロッパを転々としてからイエメンの国に辿り着くのですが。これはアデンの街にあるホテルでの写真ですが、右から2番目に座っている人物がランボーだそうです。彼がイエメンに着いた頃でランボーはこの時26歳。詩の世界を去って37歳の若さで死ぬまでの彼の人生は謎に包まれておりこの頃の写真は貴重です。ちなみにこの頃でも『イリュミネーション』や19歳の時に書いた『地獄の季節』もまだ出版されていません。。。
ところが昨日のル・モンド紙の記事によると、去年発見されてからその信憑性に反論する意見もネット上に飛び交っていたのですが、最近横に写っている人物たちのそれぞれの歴史をたどると、この写真は1878年頃のものとの事。だとするとランボーがイエメンに着く2年前になってしうとかで、真偽の議論は振り出しに戻ってしまう事になります。研究者たちはこの写真の複数の登場人物の子孫達の手元にのこっている手紙などの資料にもとづき、彼らがこのアデンの地に滞在した時期を逆算したりして、この写真が撮られた時期を想定する訳ですが何とも大変な作業です。


ここに一応、ランボーの10代の頃の有名な写真3枚を同じ大きさにして並べてみました。眼と耳と鼻と口元の関係を見ると、ビジュアル思考型の僕としては先の写真はかなり信憑性があると思うんですが。。。
これって「FRS」とかいう今はやりの「顔認識システム」にかけれないんでしょうか? そうドラマなんかで「ピピッ」といかいって「マッチングしました!」とかいってるシーンがよくありますが、あれって現実的なんでしょうかね。
そういえば最近パリに少し滞在した日本人の女性が「顔認識機能」のあるカメラを持っていました。聞いた時は単なる遊びの『ガジェット』だと思ったのですがこのシステムをつかえばその謎が解るかも。。。なぁ〜んて、まあその結果がどう転んだとしてもどうって事ない話なんですが、ただその昔、若い頃にランボーの詩に少なからずのめり込んでいた僕としては、ちょっとだけ興味があります。。。(笑)
でもこのランボーの写真の真実など、その昔ビザンチン時代に教会が「天使の性別」を議論してたようにどうでもいい事なのかもしれませんね。。。


Photo: AFP
現実のイエメンでは毎日庶民の政府にたいする抗議デモ集会がおこなれています。同じく強制政権の続く他の国リビア、バーレーン王国、イラクでも抗議デモがひろがり、一昨日だけで合計17人の死者がでています。
1989年『ベルリンの壁の崩壊』が東諸国に起こした波のように、アラブ世界の革命の波はまだまだ広がりそうです。。。

2 件のコメント:

  1. ランボー、きれいな顔してますねえ。
    そのなぞの写真はどうなのかしら。私にはヨーロッパ人が成長するとかなり違って見えるので、よくわからないなあ。

    それにしても、写真が貴重な時代ですね。
    こういった歴史的な証拠写真を見ていると、
    今、自分が撮っている写真の軽さを思ってうなってしまいます~。

    返信削除
  2. >>Joe さんへ。
    そう、ランボーは美しい少年だったようです。
    妻子のあるヴェルレーヌが17歳の彼にぞっこん惚れ込んでしまうくらい。
    無論、彼の作る詩の美しさに魅了されたのが先ですが。。。
    この写真、僕はかなり信憑性があると思うんです。
    目元と口元がそっくりです。。。

    返信削除