2011/02/03

しあわせの雨傘/Potiche

久しぶりに映画を観てきました。カトリーヌ・ドヌーヴ主演の『しあわせの雨傘』。面白かったです!

毎日ジョギンングや詩などを綴って平凡な主婦の日々を過ごすスザンヌ。彼女の父が創業した「雨傘生産会社」は旦那ロベールが社長だが、労働組合との交渉が行き詰まり、ついに工場はストライキに突入。ストレスが溜まりロベールは心臓発作のため長期入院。代わりにスザンヌが社長として運営することになり彼女の人生が変わります。 職場での女性の地位もまだまだ認められていなかった時代ですが、創業者の娘ということで古い職員は彼女を尊敬していることもあり、彼女は女性ならではの采配でどんどん問題を解決してゆきます。。。


原題『Potiche/ポティッシュ』とは仏語で「お飾り」という意味で亭主の横にいる「飾りの妻」ということですが、これまでいろんな役を演じてきた大女優カトリーヌ・ドヌーヴにとっては珍しい役柄でした。若き頃の類を見ない美貌の女優の頃の演技よりも丸くなり深みがありとてもよかったです。『雨傘』は勿論、ドヌーヴが主人公だったジャック・デミィ監督の名画『シェルブールの雨傘』をもじっています。トップの場面でのドヌーヴのジャージ姿は見物です。。。
夫ロベールを演じるファブリス・リュッキーニはアクの強い役者として有名ですが、この役にぴったりでした。
そして市長でスザンヌの元愛人モリスを演じるのは名優ジェラール・デパルデュー。彼は最近また巨人のように太ってしまいましたが、その体格とは正反対の繊細な演技が光ってました。
車の中でスザンヌに失望を語るシーンはデパルデューならではの名演技でした。そして圧巻はなんといってもスザンヌとモーリスがディスコで踊るシーンです!

ドヌーヴとデパルデューはフランソワ・トリュフォー監督の晩年の名作『終電車』で素晴らしい共演をしてます。1980年の作品だからあれから30年。二人とも丸くなるのも無理ないか。。。
『終電車』1980年


この映画はフランソワ・オゾンという若い監督によるもの、彼の作品はあまり沢山見た事はないんですが、今回は多いに笑わせてもらいました。時代は1977年ですが、社長ロベールの台詞にはニコラ・サルコジ現大統領の言い回しがはいっていたり、スザンヌの政治に目覚めてゆく姿は2006年前大統領選でサルコジと戦った社会党のセゴレンヌ・ロワイヤルの姿を完全に被らせていて、観客がお腹かかえて笑うのもそこにあります。

実はいつか記事に書いたことのある「カフェ」で、二年前にカトリーヌ・ドヌーヴ本人に合いました! 彼女は薄いサングラスをかけていましたが、やはり綺麗でした。。。

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