2010/07/25

最後の晩餐 / サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

眠い目をこすりながら6時にホテルを出発し、通勤ラッシュをどうにか避けながらミラノに着いたのが8時頃でした。サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会に向かいました。
この教会のドームの部分はルネッサンスの巨匠ブラマンテによるものといわれていて、さすがに壮大です。
ヴェローナからジョヴァンナに頼んで、ここの修道院にある『フレスコ壁画』の見学の予約を電話で頼んでもらいました。

レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』を見に来ました! その昔期待を抱いて見に来た時に修復中で足場しか見れなかったのは20年以上も前の事で、その頃は「地球の歩き方」や、勿論インターネットなど存在しておらず、情報は誰かにもらった「ヨーロッパ美術館案内」をたよりにしながらいって、ついたら「あァ〜、閉まってる」って感じで残念な想いをしたのですが、今ならこういう情報はすぐに解りますよね。反面、情報が多すぎる現在、ここの見学も予約が必要で、結局ジョヴァンナに電話で交渉してもらい9時の入場の分に無理矢理いれてもらいました。
念願の「ご対面」がやっとかないました。フレスコを前にしたときは、じ〜んときて鳥肌がたちました。15人位で中にはいるので静かに見れて良かったです。いろんなディテールが目の当たりに見えて感激です。
後ろに引く裏切り者のユダの横顔の影がくっきりとみえました。
使徒たちのそれぞれの手の表現がすばらしく、手話のようにこの劇的な瞬間のシーンを語ってます。
使徒ペテロの腕。手にはナイフを持っています。
このディテールのエチュードのは「ウィンザー手稿」のなかでも有名で、大好きなデッサンのひとつです。
実物を見て、その手の先にナイフを持っていたとは知らず驚きました。
規定時間の15分が過ぎて、次のグループがガラスの扉の向こうで待ってます。短かかったけれど凝縮された時間でした。
今回のイタリア紀行は、この瞬間につきるかんじです。
待っている間に見れる展示の中にあった写真です。第二次大戦にナチス軍の爆撃にあって修道院は全壊したのですが、土嚢を積んであった、この壁は奇跡的に助かりました。ナチスの冷酷さをあらためて思い知らされたのと、この世界遺産を救うために土嚢をつんだ、修道院の人たちに心から感謝。。。

(フレスコ画の画像は仏語ウイキペディアから抜粋しました。「透かし」はいってますが、驚く程の高画質の画像がアップロードされてます。)



4 件のコメント:

  1. いいないいな~!!
    私も絶対一度は見たい作品です。
    一時期日本でもこの作品の解明についての番組が
    放送されていたのですが、色々な見解があって
    おもしろいなぁと思いました。
    こうして写真でみても素晴らしさがにじみでていて感動しますね。
    あぁ!本当にうらやましい!!!

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  2. >>mamiko さんへ。
    20年前は悔しい思いをしたので、今回は感無量でした!
    近年20年以上を費やしてなされた修復は主にこれまでの修復で描きたされた顔料の層を剥がしてゆく作業だったそうで、ダヴィンチが描いた層を浮き出させるのが目的だったそうで、これまでのように修復家たちの余計な修正の手が入っていません。「ダヴィンチそのまま」が見れました!
    いつも新しいテクニックを試みたダヴィンチはここでもかなり斬新な技術を導入したけれど失敗に終わり、描かれて数年して既に顔料が剥がれてきてたそうです。

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  3. ひろさんの解説付きで一緒に見たら、
    私もちょっとは絵画に対する感性
    磨かれるかなぁ~(笑)
    奥が深くて簡単には理解できない世界ですね。
    それが神秘的で素晴らしいんだろうけど^^

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  4. >>REI さんへ。
    『絵画』はまず理解するより、感じるものだと思います。
    勿論、作品の時代背景や完成までの道程というものが重要になってくるのでしょうが、『傑作』というものは常にそういうものを通り越して、我々に語りかけてくれるものだと思います。。。

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