2010/09/19

『オ・グルニエ・ドール』

何だか『タイム・トンネル』の中に入っていくようですね。。。地下鉄の二条城前駅の通路ですが日中なのにほんの少ししかお客さんがいません。累積赤字もいれて京都市営地下鉄は毎日4000万円以上の赤字を出してるそうで、市の財政は火の車だとか。京都に住む友人が第二の夕張になるかもしれないって教えてくれました。冗談なのでしょうが、でも週日の真っ昼間から、利用者がこんなにひっそりでは採算を取るのも大変な事が解るような気がします。
その昔、渡仏する直前に、京都の大学にいった高校のバスケ部の仲間やクラスメートたちが沢山いたんで京都に一週間ほど滞在したんですが、その時はまだ市電が走っていて、僕はその頃愛読してた漱石の小説の中のシーンに入ったようで結構興奮して乗ってました。(笑)「でも、もうすぐ終了するんだ」って友人がいっていたのを憶えてます。
環境問題が重要視されるようになって、最近では世界のいろんな都市でCO2を出さない路面電車が復活している中で、何とも京都はその逆をしてしまったんですね。あんなに路線網がしっかりしていたのに勿体ない話です。地下鉄工事はちょうどバブル全盛期の頃で皆が可能だと思い込んで、その計画の非現実さを疑いすらしなかったのか、今にして考えれば、一目瞭然なんですがね。路線や車両の設備を近代化するだけで最先端の市電が出来たはずです。ここまでの赤字だと後戻りすることさえ不可能だろうし。。。

閑話休題。四条の大丸デパートの裏に『オ・グルニエ・ドール』というケーキ屋さんがあります。フランス語で「金のくら(蔵)」という意味ですが、これはオーナーのパティシエ西原金蔵さんの名前にしゃれてつけたそうです。今は亡き親友、生前フレンチのシェフだったんですがパティスリーから料理の世界に入りました。そんな彼が京都にもの凄く美味しいケーキ屋があると教えてくれて、できたばかりの頃、ここに来てみたのですが、小さいお店で座れるのは10人位。細い廊下に沢山の人が待ってましたが、並ぶだけの価値はあり、甘党じゃない僕も感動してしまうケーキばかりでした。
今回も久しぶりに、そして亡き友を憶いながら並ぶのを覚悟で足を運んだのですが、何とすぐ近くに町家を上手く改装して新館が出来ていました。でも男一人でケーキ屋さんに入るのはちょいと気が引けるんで、今回の仕事にかかわった女性スタッフKさんと来ました。彼女は以前一年間パリに留学していて、その頃もちょくちょくあってたんですが、いまは新婚さんで忙しい中、最初誘うの躊躇しましたが、でも彼女がグルメで無類のパティスリー好きなの知ってるんで『京都で一番美味しいケーキ屋さん』という話にうまく乗ってきてくれ、(笑)忙しいのにはるばる出てきてくれました。merci !
久しぶりにこんなに美味しいものに出会えて嬉しかったです。実はこの前々日に「ギックリ腰」を再発してしまいその翌日はホテルの部屋で隣のコンビニのオニギリや弁当で一日過ごしてました。(幸いグザヴィエは旅なれていて、一人で炎天下の京都を飛び廻っていました。)
名物のピラミッド・ケーキはすべて売り切れで、僕はパッション・フルーツのババロアを注文しました。
Kさんはフルーツのケーキとチョコレートの何とかケーキ。ひとくちフルーツのを頂いたけれど、どれも全て上品な味で美味しかったです。それに暑くて疲れている時は甘いものを身体が欲するみたいですね。
ただひとつ驚いたのはこのケーキ屋さんには男同士二人で来てる人が何組もいました。余程の甘党なんでしょうか。
カモミーユ・ティーが入っているガラス容器が綺麗でした。短いティー・タイムでしたが、京の町家やらしい壷庭のある空間でくつろげて幸せでした。まさしく生き返ったきがしました。


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