2009/12/06

聖ニクラウスの日

ご存知でしたか? 
サンタクロースは12月6日にやって来るんです!
僕がフランスに来て最初に足を踏み入れた土地はストラスブールという街で、そこに3年間住みました。フランスの北東にあるアルザス地方の主要都市です。このアルザスと隣のロレーヌ地方ではこの12月6日は『サン・ニコラ』と言われ、キリウト教の聖人ニクラウスを祝う日です。毎年結構大々的な祭り事でした。貧しい人たちや弱き者達をこっそりと助ける人として伝えられていて、『聖ニクラウスの日』を祝う習慣は隣のベルギーやオランダ、そして北欧の国々でも盛んです。子供の守護聖でもあり、この日にサン・ニコラは子供たちにプレゼントを配ります。サン・ニコラはオランダでは「シンタ・クラース」と呼ばれ、アメリカに渡り「サンタクロース」になりました。そして何故かクリスマスの日、12月25日にやって来るようになりました。大雪でトナカイのそりがアメリカまでやってくるのが遅れたのでしょうかね。(笑)
ストラスブールで初めての冬、寒波で凄く雪がふり街は真っ白でした。ブログリー広場に『マルシェ・ド・ノエル』  (クリスマス・マーケット)が建ち並ぶ光景をみて感激したのをおぼえています。その年10月に日本からやってきて、アパート探しや、学校や市役所のいろんな手続きを終えるのに一ヶ月以上かかり、やっと落ち着いたと思った時はもう12月。街中でこのマルシェに出くわしたときは驚きました。それこそおとぎ話の世界にタイムスリップしたようでした。そういえばここで『ヴァン・ショ』という温かい赤ワインを初めて飲んだっけ。あとクリスマスのお菓子『パン・デピス』も美味しかった。はじめて「あぁ、フランスに引っ越して来たんだ」という実感しました。。。
その頃はカメラなどは高級品で持ち合わすわけもなく、「使い捨てカメラ」なども存在しておらず。その雪の中の光り輝くマルシェに感激したのを友人や家族に長々と手紙に綴ったのを憶えてます。
このマルシェは1570年から続いていて『世界で一番古いクリスマス・マーケット』として有名で近年ではヨーロッパ中から沢山の観光客が来ます。ただ「1570年から」というのも、『クリスマス・マーケット』と命名された年で、それまではずっと『サン・ニコラのマルシェ』でした。『聖人信仰』を嫌った教会が名前を変えたわけです。だからそのもっと前からあったようですね。
12月のはじめに早くもクリスマス・マーケットがでるのも、もとをただせば世界で一番古いこのマルシェが『聖ニクラウスの日』を祝うものだったからです。
あ~、なんか久しぶりに(ほんと何十年ぶりに)『マルシェ・ド・ノエル』にいってみたくなりました。。。ストラスブールまで高速道路を飛ばして片道5時間。一泊して帰りはシャンパーニュ地方によってシャンパンの買い付け。なんてのも悪くないかも。。。


『聖ニクラウスと貧しい三人の娘』
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ作(1425年)
ヴァチカン美術館蔵
(貧困のため売春を強要されている三人の娘がいる家庭に三枚の金貨を投げ込む聖ニクラウス。
三枚目は干してあった靴下の中に投げ込んだ。。。)

1 件のコメント:

  1. >mamiko さんへ。
    ヘェ〜。ついに日本に!どんな出店がでるんだろう。。。
    90年代からヨーロパのいろんな街で『マルシェ・ド・ノエル』がでるようになったんですが、当然、同時に内容も薄れていったのですけどね。
    パリのマルシェでも、もう殆どが、フランスではつくられていないものばかりです。。。
    ストラスブールもそうかもしれない。。。
    でも日本上陸とならば、結構本物の小物があるかもしれないですね〜。
    アルザス地方のパン・デピスはおいしいですよ!

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