2011/11/01

死者の日 / Under the volcano / 酔っぱらいの一日



ジョン・ヒューストン監督の1984年の作品『Under the volcano』の最初の字幕シーンです。音楽はアレックス・ノース。
メキシコの『死者の日』の祭りに使われる人形や仮面を撮ったもので、このプレコロンブス時代の行事が17世紀にカトリック教会に吸収され「ハロウィン」になったといわれてます。


この映画『UNDER THE VOLCANO』のストーリーはメキシコの街クエルナバカに一年振りにヒローインのイヴォンヌ(ジャクリーヌ・ビセ)が戻ってくるところから話は始まりますが、この日11月1日、ちょうど『死者の日』でした。
一年前に別れた夫、主人公ジョッフリーは元領事で、どうにもならないアル中。。。 最初から最後まで酔っぱらいを演じるアルバート・フィニーが素晴らしい。


ヒューストンはハメットの推理小説『マルタの鷹』を映画化してデビューした事で有名す。そしてこの作品は20世紀文学の最高傑作のひとつ言われるマルコム・ロウリーの大作『火山の下で』の原作を忠実に描いています。
勿論、大作を数行で要約するのは不可能なことですが、なかでもこの本は特に難しい。。。僕は何度か挫折しながら数年かけて読みました。
文学作品を映画にすると、その原作が素晴らしければ素晴らしい程,大抵がっかりすることが多いですが、この映画は原作に忠実であると同時に、完全にヒューストンの世界に吸い込まれていきます。。。

ロウリーはこの小説を書き上げるのに10年以上の歳月をかけています。1940年に一応出来上がった作品を数々の出版社に持って行くのですがすべて断られます。これを期に彼はこの作品をますます深く掘り下げる事を決心します。途中、仕事小屋が火事で危うく原稿を燃やしてしまう事故にも会いながらも何とか完成させます。それを祝って彼が妻と一緒に1946年にメキシコに旅行に行っている最中、小説の舞台となったクエルナバカの街で、原稿をあずけてきたエディター、J・Capeから手紙を受け取りました。彼はすでにロウリーの前作を出している人で、その手紙で彼にかなりの「書き直し」を要求してきます。そして返事にロウリーは各章ごとに詳しく説明し、何故書き直せないかを長々と訴えているのですが、この長い手紙がどの解説や評論よりも詳しくこの作品を説明しています。
何度も挫折し、なかなか進まなかった僕の読書も、この手紙を読んで「目からウロコ」という感じで、その後一気に読み上げることが出来ました。高い高い山を登り詰めた壮快な気持ちを感じたのをよく憶えています。
そしてこの手紙を読んで驚愕な事実が解りました。ここに描かれているのは実は「たった一日」の事だったのです。
ロウリーはこの『死者の日』の一日間の話を10年以上かけて書き上げたのです。それを知った時は鳥肌が立つ思いでした。この『死者の日』の一日間を数年かけて読むのも、むしろ当然かもしれませんね。。。





2 件のコメント:

  1. いつの日か、メキシコの死者の日を見に行くのが夢だったりします・・・。
    そうでなくてもあの派手派手な祭壇をみてまわりたいと思っています。

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  2. >>mamiko さんへ。
    そう、あのカラフルなお墓を観てみたいです。。。
    あれって死者が「淋しくないように」って飾りつけてるんでしょうか。
    いづれにしろ「死」の価値観が違うんですよね。。。
    メキシコ。いつか旅してみたい国です!

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