2011/05/20

マドンナ・デル・パルト(出産の聖母)/ Monterchi

(再びイタリアに。。。)

ペルージアからアレッツォに向かう途中に、モンテルキという小さな街に寄り道しました。ここは既にウンブリアの隣のトスカーナ地方になります。その風景もウンブリアと少し違ってみえます。目的は街のはずれにある小さな美術館です。ここにピエロ・デラ・フランチャスカのフレスコ画『マドンナ・デル・パルト(出産の聖母)』が展示されています。



妊娠しているマドンナは絵画史の中でも珍しいです。元々はここの墓地の礼拝堂に描かれたものだったすが、今は綺麗に修復されこの小さな美術館にあります。この壁画一点だけに作られた建物ですが、美術館というより何処かの村の記念館と言った感じでした。
ピエロの母が亡くなった際に、彼が母の故郷に戻ってきた時に彼女を讃えて描かれたと言われてます。青い服の前が割れて現れる大きくなったお腹にのせてある右手が印象的でした。彼女の優しく威厳のある顔の表情に画家の母への思いを感じとられます。


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タルコフスキー監督がヨーロッパに亡命して、最初に作った作品『ノスタルジア』の脚本はトニーノ・グエッラとの共作でイタリアが舞台です。素晴らしいロシアの白黒の風景から朝の光りのトスカナ風景にかわるトップシーンで出てくる教会の中にこの絵が出てきます。勿論実際の教会にはないのですが、この映画を初めて見た当時、何故タルコフスキーはこの絵をはめ込んだのだろうかと考えたものでした。亡命した際に別れてソビエトに置去りにしてきた妻と息子を思ってのことなだろうかと想像してました。。。





そんな思い出がこの実物の壁画の前で蘇ってきました。。。


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