最後の絵画とか最後の作品とか、「最後」という言葉がつくとやはり、急に気になってしまうものです。そういえば去年パリのマイヨール美術館でマリリン・モンローの写真展があり大変な反響だった。彼女が生きていた「最後の写真」ということで、なおさら皆の見る目にも感情が入ってしまうんでしょうね。僕も三度も見にいったけ。(笑)
実は昨日、CNNでマイケル・ジャクソンの「最後の映像」が放送されてるのを見て、ちょっとばかり感動しました。それは彼が死ぬ二日前のリハーサル・シーンなんだけど、その汗をながして練習する姿から彼の『カム・バック』への執念が伝わってきました。僕は何故か勝手に孤独の死を想像してました。彼は直前まで練習してたんだと改めて実感。
死んだ直後のニュースでは「周囲の者たちに強要されて」このツアーを組まされたような事が報じられていたけど、レコード会社が莫大な借金を抱えていたのは事実。僕も、「そうか、強要されてたんだ」と単純に思ってたのですが、ニュースの映像を見てたら、彼はアーチストとしてのチャレンジをしようとしていたのがわかります。確かに動きの切れは20年前よりないのは当たり前だけど、新しいマイケル・ジャクソンが見れたかもしれない。プレスリーが70年代に奇跡のカムバックをした時は、「ロックの帝王」ではない彼がいて世界中を感動させたように。
「カムバックできるかどうか」の不安と恐怖からたくさんの薬を飲み続けたらしい。「彼程のアーチストが?」と思うけど、むしろ偉大なアーチストであるだけに怖いのだろうと思う。ごまかしが効かない世界だということをしっているから。。。
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NBC放送が中継したレーベル「モータウン」の25周年記念コンサート。ダイアナ・ロスやスティヴィー・ワンダーなど優秀なアーチストを世におくりこんだインディー・レーベル。このコンサートの目玉はマイケルがまだリードヴォーカルとして活動していた「ジャクソン5」のオリジナルメンバーでの再結成。(であったはず。。。)
しかし、その直後、ソウル、R&Bトのトップスターたちが勢揃いする中、マイケルがソロで新曲「Billie-Jean」を歌う。そして観客の前ではじめて「ムーン・ウォーク」を披露するのですが、世界中が彼のパフォーマンスをみて驚嘆する。ジャクソン5の兄弟たちでさえもこの時にはじめて見たそうです。一瞬にして今までの「ポップ」が10年古くなってしまった。1983年5月16日、ちょっとした歴史的瞬間ですね〜。
そしてこれをテレビで見ていた「永遠のエンタテーナー」フレッド・アステアーが彼に電報を送ったの有名な話です。『私は年老いたひとりの男です。後継者をずっと待っていました。ありがとう』と。
やすらかに眠ってほしい。。。
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