2009/10/29

愛の讃歌



昨日はカーラジオからエディット・ピアフの名曲「愛の讃歌」が何度も流れていました。。。

何故ならはピアフの愛人だった、フランスの伝説的プロボクサー、マルセル・セルダンの60年目の命日でした。セルダンは119勝4敗(うち74KO勝ち)という驚異の強さに世界のプロ選手たちや関係者からは『無冠の帝王』として有名でした。そして1948年9月、ついに世界ミドル級チャンピオン、トニー・ゼールをニュジャージーで倒してフランスの国民的英雄になります。その翌年6月にブロンクス育ち『レンジング・ブル』(怒れる牡牛)の異名をもつ、ジェイク・ラモッタとの初防衛戦は予想通り歴史に残る大激戦となり肩を負傷したセルダンはTKOで負けるのですが、半年後そのリベンジ戦がニューヨークで行われる事が決定し、10月27日にパリからNYに出発するが、搭乗した飛行機は大西洋に墜落し帰らぬ人となってしまいます。

コンサートのためにニューヨークに一足先に来ていたピアフはその日、マルセルを飛行場に迎えにくるはずだったそうです。

悲劇の中でコンサートは開かれ、ピアフは『愛の讃歌』をニューヨークで初めて披露することになるのですが、これは彼への思いを歌ったで、マルセルの死後作られたと思われがちだけど、実はその前に作られてました。アメリカでの初めての発表がこういう形なるとは劇的ですよね。『事実は小説より奇なり』。 いつ聞いても鳥肌がたちます。。。


日本では岩谷時子さんの訳詞を越路吹雪さんが歌って有名になりましたが、他にも沢山の歌手がカバーしてますよね。シャンソン界の大御所、岸洋子さんや美輪明宏さんは勿論ですが、和田アキ子さんも歌ってますね〜。ちなみに僕は菅原洋一のカバーが好きです。




ただ岩谷時子さんの訳はとても美しいのですが、オリジナルの中で語るように歌う「寂び」の部分で愛する人のためには盗みや罪をも犯すという、ピアフ独特の世界がカットされていてちょっと残念。っていうか一番大事な所だと思うんですが。。。


そしてYoutubeで捜してたら、何と山口百恵さんが、寂びの部分をかなり忠実な訳で歌っていました!






2009/10/28

中庭とトリュフ

開いた扉の向こうにふと目がとまる。。。
ヴェローナの建物において中庭は大事なエレメントです。はっと驚くような空間が広がるシーンに出くわす時がよくあります。

2009/10/27

トルテリーニとヴェスパー



昨日から時計が冬時間に変わったけれど、ヴェローナの街は夏の日差しでいっぱいでした。

2009/10/26

ヴェニス最後の夏。。。


リド島からヴェニスまでは、水上バスで10分位です、サン・マルコ広場に近づくと左側に逆光の中に聖ジョルジョ教会の白いファッサードが見えてきます。いつ見てもこの教会はまるで水面に浮いているようで、その気品に魅せられます。そして6月に来た時にあの塔の上からの眺めを思い浮かべました。。。


グラン・カナル(大運河)の先端に仮設の橋ができていて。何だろう?と思って船を降りて近くまでいってみると。。。


なんと『ヴェネチア・マラソン大会』のためでした。この橋の地点はほぼゴールに近いところで、皆、最後の力を振りしぼって橋を駆け上ってました。参加者6000人もいたらしいです!


すぐそばには、長い間修復中だったサルーテ寺院の足場がとれてその見事な全貌を再び表しました。

そのあと18世紀美術館カ・レッツォーニコ(Ca'Rezzonico)を見学して、あとは天気が余りにもよかったので、その近くをぶらぶら歩き廻りました。

そして夕方にはヴェローナに出発予定だったので、早めにホテルに荷物をとりに戻り、そして空港行きのバスが出るターミナルまで快速水上バスでいきました。

水しぶきがかかる窓越しに見えるヴェニスも綺麗でした。。。



2009/10/25

ヴェニス再び。。。


デュッセルドルフを暗いうちに発って、日の出を飛行機からながめました。

早朝にヴェニスにつき、ホテルがあるリドについたのは10時半。幸い部屋の準備ができていたので荷物をおいて直ぐに市街にもどり、6月に行けなかったフォーチュニー美術館での展覧会『IN/FINITUM』を見ました。


ここではいつも「ビエンナーレ」と並行して面白い企画展があります。古い屋敷がそのまま美術館になっていて趣きがあります。撮影禁止なので残念だったけれど、展示もこの古い独特の空間に溶け込むような感じで、時にはどれが常設でどれが企画展のものか解らないものもありました。今回はじめて5階の屋根裏も展示に使われ大変な数の作品でした。


会場を出て時計を見るとすでに3時! お腹がすいてクタクタになってしまい、リアルト橋の近くにある小さなカフェ・バー『ALL' ARCO』でチチェッティ(CICCEITTI)というアミューズ・ギョルを食事代わりに注文しました。

いろんな食材があってイタリア語で説明できないから「おまかせ」で頼みました。一口で食べてしまえる大きさで、どれも美味しくてあっという間に全部たいらげてしまいました。


生ハムがあまりにも美味しかったので追加注文。ついでにモルタデラハムも。。。ちょいと欲張りすぎたかなと思ったけど、やはりすんなりお腹ににはいりました。(笑)


カフェを出てしばらく歩くと路上でクリスタル・グラスのミュジシャンが演奏してました。素晴らしい音であっという間に沢山の人が。。。


夕方は街中をぶらぶらして、さすが朝早くから起きてるので早めにホテルにかえりました。夕陽がデュカーレ宮殿に反射して青いそらに映えてました! 

2009/10/24

Vol de nuit...



今回は初めて、デュッセルドルフ経由でヴェニスに入ります。土曜日朝にヴェニスにつく方法を捜したら、これが見つかりました。Air Berlinという小さな航空会社です。小さなプロペラ機で、久しぶりに夜のパリ上空を飛びました!



僕が座った窓からちょうどプロペラが見え、その下にパリの街の灯が光ってました。少し離れると小さな街や村の灯が面白い形をしていて、ちょっとした「ナスカの地上絵」みたいでした!





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経由地点であるデュッセルドルフ空港の中にあるシェラトン・ホテルにからアップしてます。明日は6時半の便でヴェニスには7時半に着きます。


Bonne nuit...

2009/10/23

奇跡の水。。。

友人の姪っこが、「ルルドの泉の水」をお土産に持って来てくれました。半分ギャグだったんですが、重いのを南仏から持って来てくれて感激! 一応飲んでみたけど、奇跡は起こらなかった。。。(何の奇跡?)


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ちょいとまた、ヴェローナまで行ってきます。月、火と仕事なんですが、週末ヴェニスに寄るつもりです。6月に来た時は本当に駆け足だったので「ビエンナーレ」も見落としたものがあるんで、この際観て廻るつもりです。


2009/10/19

ヴァンセンヌの森


日曜日の午後とてもいい天気にだったので、珍しくカメラを持ってヴァンセンヌの森に散歩しました。案の状、沢山の人たちが散歩やジョギングやサイクリングに来ていて、なごやか空気でした。パリには西にはブローニュの森、東にはヴァンセンヌの森があり、大都会の雑踏から逃れるには最適です。実は十年前までは、このヴァンセンヌの森のすぐそばに住んでいたんですが、歩いて三十秒という所だったんで、よくいつも散歩に来てたんだけど。最近はずいぶんと遠ざかってしまいました。


木々の緑の中に暖かい光が差し込んでいました。黄色くなってきた葉っぱが、ちょこちょこ見えだしてきました。


森の中に流れる水には、光が当たらないためか、所々に藻が浮かんでいて綺麗なモザイクが散りばめられているような感じです。

ある所では、水面がすべて緑のところもあり、木漏れ日が落ちて緑が光って綺麗でした。



2009/10/18

マイケル・ケンナ写真展




今日は国立図書館ではじまったマイケル・ケンナの写真展を観てきました。数年前パリのギャラリーで観た北海道の雪の風景を撮った作品に圧倒されたんですが、今回は初期の作品等も含む回顧展で量もあり、なかなか見応えがありました。また北海道の新しいシリーズもあり、それがまた素晴らしかった!氏の作品はすべて白黒、20cm位の正方形で同じ大きさです。『写真』が現代アート市場に重要なポジションを占めだした最近、華やかな写真展が多い中、シンプルなこの展覧会はとても新鮮でした。
アイルランド出身のケンナ氏は「俳句の世界の方が、ジョイスの世界より親近感がある。」と言っているように、彼の制作プロセスは確かに、旅して詩を詠むといった感じですね。そして『バライタ印画紙』に焼かれた白黒写真はやはり味がありますね~。
パリで、もう白黒現像をするラボが殆どなくなってきています。ましてや手焼きをする職人さんも停年退職などしたりして殆どいなくなってしまいました。スピード時代において「手焼き作業」は確かに時代錯誤になってしまったけれど、でもケンナ氏の作品をみてまだまだデジタルでは表現できない領域がまだあるんだな~と実感しました。


国立図書館リッシュリュー館
2009年10月13日〜2010年1月24

あの素晴らしい愛を。。。


先日ある写真家のフォトログで(おそらくプロの方だと思うのですが)素敵な夕焼け写真に出会い、以来この一週間毎日同じ歌を口ずさんでました。。。



命かけてと 誓った日から
素敵な思い出 残して来たのに
あの時 同じ花を見て
美しいと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度

赤とんぼの歌を 歌った空は
何にも変わって いないけれど
あの時 ずっと夕焼けを
追いかけて行った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度

広い荒野に ポツンと居るよで
涙が知らずに 溢れてくるのさ
あの時 風が流れても
変わらないと言った二人の
心と心が 今はもう通わない
あの素晴しい 愛をもう一度
あの素晴しい 愛をもう一度


これって、僕が歌詞を三番まで憶えている数少ない歌のひとつです。


勿論フォーククルセイダースの唄うのがいいけど、

この曲、沢山の歌手がカバーしていますね。


オリジナル。。。




フォーク歌手の方は皆さんカバーしてますね。





なかでも思い出深いのは、彼女です



実は子供の頃このレコード持ってました。(笑)

でも今こうして聞くと、アイドルといえども、あの頃の歌手は唄えてますね〜。Youtubeで捜す限りでは、彼女のカバーが一番素晴らしいかも。

明るく透き通った声で、悲しい歌を唄うのは難しい。。。でも淡い青春の思い出には、ピッタリのような気がする。


何て、ちょっとオヤジ談義でした。(笑)


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と、この投稿を下書きしている最中に、インターネットで加藤和彦さんの訃報を知りました。びっくりです。

冥福を祈ります。





2009/10/13

ルーブルの青いカバ


ルーブル美術館で16世紀後半ヴェネチアの「三人の巨匠の絵画展」がはじまり、さっそく土曜日に見に行ったのですが、メディアでの報道が多かったためか、あいにく沢山の行列ができていて、会場内も超満員だとの事で今回は諦めました。。。
でもせっかくルーブルに来たので、新しく改装されてからは、ゆっくり見る事がなかった「エジプト部門」を見てきました。新しくデザインされたショーケースにオブジェも綺麗に展示されていて、見違えるようになってました。週末なので親子で見学にきてる人たちが多かったです。

でも以前の「木枠」の古いショーケースだった頃の展示室も個人的には好きでしたけどね。。。
そう昔、エジプトのカイロ美術館を訪れた時は、その展示品のあまりの多さに驚かされました。地元だから当然なのですが、まるでどこかの宝庫に入ったような感じでした。以前のルーブルのエジプト部門の展示室はカイロ美術館のイメージが少しあったんで好きだったんですけどね。。。

でも確かに新しく展示されたものは、展示内容も充実していて退屈しませんね。なかでも大好きなのは、この『青いカバ』。以前よりずっと見やすいところに展示され、ひときわ綺麗にみえます。

これは他の殆どのオブジェと同様『埋葬品』ですが、そのあざやかなブルーに眼を惹かれました。『青』は古代エジプトでは死の世界を意味するそうです。

もうひとつは鷹の形をしたペンダントのようなジュエリーです。金に石が埋められているんですが、石は群青色のラピスラズリと水色のトルコ石が使われてるみたいです。やはりブルーで飾られていますね。

エジプト美術の凄さは壮大なピラミッドに代表されるように、すべて死後の世界のためのもので、つまり誰も見る事のない暗闇のなかに置かれる埋葬品だったのだと思うと感慨深いですね。。。

2009/10/09

食欲の秋。。。

昨日はパリ15区にあるビストロ『ル・トロケ』(LeTroquet)で食事しました。有名で前々から一度来てみたかったお店でした。シェフはバスク地方出身のクリスチャン・エスベス氏。

初めてなので、量を少なめにして六品がでる『おまかせコース』を頼んでみました。


まずは白インゲン豆のスープ、バスク地方で使われている木のテーブルに突然ガラスのコップで出て来たのでちょいとビックリ。表面に炒めた薄い黄色いアーモンドとシブレットが浮いていました。そしてスプーンですすっていくと、底には塩味がきいた小さなシュリゾ・ソーセージが幾つか沈んでました。コップで出されたのに納得しました。


前菜にはサーモンと蟹の不思議な組み合わせの上にトマト。



エポートル麦の上にホタテ貝。数個のカープルの酸味が口の中に広がって美味しい。


牛のパルロンという肩肉の上に生フォアグラが乗っかってました。

とろけるピュレはクリームみたいでした。

それぞれ量は少なくても、さすがこのありでお腹いっぱいに。。。


そしてピレネーのチーズ、ジャムと一緒に。バスク地方ではチーズとジャムを組み合わせてよく食べます。


デザートは「リ・オ・レ」の上に桃。

まったく非の打ち所もなく完璧でした。また必ず来てみたいところです。やはり料理はアートですね。


そうそうクリスチャン・エスベス氏が語るには、先日書いたの『ル・コントワール』のイヴ・シャンボルド氏との出会いが彼のシェフとしての人生を変えたえたそうです。

2009/10/07

ネオ・ビストロ / Le comptoir







近年、パリでは有名なシェフが星を捨ててビストロを開くという話をいくつか聞きます。『星の数』で判断される高級レストラン志向に背を向けて、シェフが気楽な環境で美味しい料理を手頃な値段で提供するというコンセプトです。こういう「ネオ・ビストロ」と言われるレストランが人気を集めてます。
そういうシェフの一人に、既に神話的存在になっているイヴ=シャンドゥボルド氏がいます。彼は『トゥール・ダルジャン』や『ホテル・クリヨン』を経て92年に独立しパリ14区に自分のレストランを構えます。専門家やメディアは最初はあまり評価していなかったけど、どんどん口伝えでその知名度は高くなり、この小さなレストランは半年先まで予約が詰まっていました! 
そして2005年にこのサン・ジャルマンデプレの中心地にこのお店『ル・コントワール』を開きました。近年のネオ・ビストロブームの口火になった超本人です。

またアルザス地方で三ツ星のレストランを経営していたアントワーヌ・ワイセルマン氏は星を返上し、レストランを息子に譲り、2003年にパリのサン・ルイ島に『モン・ヴィエイユ・アミ』という小さなレストランを開きました。ここも毎日満席で2回転します。

彼らのようなシェフのおかげで今まで手が届かなかったような高級な料理が手頃な値段で食べれるようになりました。その代わりいつもお客さんが並んでますね~。これって単なる流行じゃないと思います。。。っていうかそうあって欲しいです。

写真はこの春先に『ル・コントワール』のテラスにて。
日差しが綺麗でした。歩道でこのような美味しい料理を食べるのって、
やはりパリならではです。。。


2009/10/04

Still Life




普段はお菓子や果物が入っている漆の器なんですが、中身がなくなった途端に陣取られました。まるで静物画ですね。

日本で土鍋に入る猫『ねこ鍋』が流行ったという事を聞いたけれど、ホントどうして猫はこんな器や紙袋の中にはいるのが好きなんだろう。。。