ローリー・アンダーソンのコンサートに行ってきました。場所はパリの北にあるヴィレットの音楽ホールで、最近出来たのですが素晴らしいアコステイックのホールです。コンサートの題名は「Un délire」。訳せば『錯乱』とか『妄想』とか言う意味です。でもコンサートというよりパフォーマンスといったほうが正確かもしれません。
舞台は彼女一人だけで、後ろと両脇にはビデオの映像が投影されながら、彼女の日常の妄想を気ままに語り続けるような感じでした。「ソロのオペラ」と説明されていたけど、「ポエジー」と言ったほうがいいかな。
語りかける彼女の声がボイス・チェンジャーを使って男の声になったり、またそれと数分の1秒のタイム・ラグで彼女の声とリアルタイムのデュエットは凄かった。
たった二日間のパフォーマンスでそれがCDとかDVDになるなんて事はないと思うけど、もう一度じっくり詞を読みながら聴きたいです。彼女は80年代初めヴォイス・パフォーマーの前衛アーティストとして注目されてました。そんな彼女がインディーズから出したシングルが口伝えで話題になりイギリスのヒット・チャート2位まで上り、一躍脚光をあびる存在になりました。そしてワーナー社と契約する事になります。