にっこり笑った彫像。。。珍しいです。
聖人ゼノのポリクローム(多彩色)の木像です。
4世紀の頃にこの地で貧しい生活を続けながら司祭を務めたゼノですが、彼のお墓のある地にこのバジリカは建立されました。イタリアのロマネスク建築でも最も美しいものの一つですが、ロマネスクにしてこの高さは既にゴシック時代を思わせます。
祭壇にむかって右側の壁には13世紀から14世紀の壁画が残っています。キリストを肩に乗せた聖クリストフィロス。
これらはジオット派のフレスコ画ですが、この白い母子像は珍しいですね。
そして祭壇には、見事なトリプティック(三連祭壇画)が輝いてました。何度来てもいつも修復中だったのですが、今回やっと見れました!
マンテーニャの初期(1457-1460年)の大作です。彼が若干26歳の時ですが、既に巨匠の作品ですね。三つに分かれている三枚の絵を、彼はこれを遠近法を使って一つの空間に仕上げています。絵をはめ込むための祭壇の柱などのデッサンもマンテーニャ自身が指示したそうで、こういう風に木彫のヴォリュームと絵の空間が完全に繋がっている祭壇画は他にはあまり見当たりません。
下部のプレデッラの三点はコピーで、オリジナルはフランスにあります。ナポレオン軍が略奪するように持ち帰り、後にこの上の部分は返品したものの、下の部分は返さず今日にいたってます。大きい画像で見たいかたは、コチラ。
一昨年ルーブル美術館で『マンテーニャ展』が大々的に開かれたんですが、この祭壇画が来ておらず、フランスにあるプレデッラのオリジナルの三作だけが飾られていてちょいと物足りなかったけど、まぁ、盗んでおいて返さないフランスにイタリア側が貸さないのは当然ですよね。
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