2009/06/29

Belle!!!


夜のサンジャルマン・デ・プレ。バーゲンのウィンドーの前にハーレー・ダヴィッドソンが二台駐車されてました。二輪車はパリでも普通、道路の片隅に駐車するものですが、このハーレーは明るいウィンドーの前で見てくれといわんばかり、前を通る人がみな「Belle!, 美しい!」と叫んで行く程、かっこ良かったです。一度乗ってみたいものですね~。といってもこんな大きな二輪免許はもってませんが(笑)

そしてソロボンヌ大学の前に、ピンクのスクーターがありました。しゃれた色と思い、よく見るとイタリア製、やっぱりネ~。

いつもこの季節になるとスクータが欲しいな~と思ってしまいます。ハーレーよりずっと現実的です。

パリは車の閉め出し政策が熱心で路上駐車が難しくなりスクーター派がどんどん増えてます。

あ~ぁ、いつか白いブラウスにスカートの素敵な女性を後ろに乗せて、スクーターで街中を走り廻ってみたいものですね〜。非現実的。(笑)

バーゲン開始


バーゲン最初の土曜日でパリの街は人でいっぱいです。先日ローマで落ち合った友人と待ち合わせ。実はオデオンにある人気シェフのイヴ・カンドゥボルドのビストロ『ル・コントワール』で食事をしようと思い、結構早い時間に彼と一緒にいったら、既に満席!!! で路上で待つ人も10人近く。。。

唖然として、近くのパブで自家製ビールに予定変更。無駄話をたっぷりして分かれました。

そしてバーゲン中21時まで開いてるデパート「ボン・マルシェ」まで行き、人で一杯の店内をぐるりと廻って何も買わずに、別館のグルメ・コーナーまで。ブルターニュ特産のイワシの缶詰を買いました。『ベル・イロワーズ』という老舗の商品で手作りで有名です。あるシェフが料理に使っているのを知って、捜して食べてみたらあまりにも美味しいのでびっくり、以来この辺にくると寄り道して買ってかえります。それまで「魚の缶詰」ってあまり買うことはなかったのですが、シチリア風イワシ和えパスタを作る時に使うと最高です。そしてここには、固めのセムリナ粉を使用してる『ドゥチェコ/DECCECO』のパスタがあり、しかも種類が豊富。フランスではあまり使わない「ビゴリ」という、スパゲッティを二まわりも太くした、うどんのようなパスタもあります。シチリアではこれを使ってるので、いつもいわしの缶詰と一緒に買ってかえります。


カルチエ・ラタン



ハリウッド映画の封切りでもない映画に街頭にこのように人がならぶのはカルチエ・ラタンならではの光景です。何の映画なのかと見てみると、エトーレ・スコラ監督の名作『特別な一日』。大好きな作品です。劇場公開はごく稀なだけにこんなに人がならぶんでしょうね。
いつまで上映してるかな~。

たまの箱


仕事机の真ん中には たまが小さい時から中に入って寝ている菓子箱があるんだけど。大人になった今でもここで寝るのが好きで、仕事してるといつの間にかやってきて、ぐっすり昼寝をしていきます。。。手も足もはみ出して寝てる時はお笑いです。

天気のいい日には、また木の上で一休み。

やはり『アリス』の猫に似てる。。。

2009/06/27

レモンと車とトラメッジーニ(ヴェネト4/4)


アゾロの街の近くの民宿に泊まり翌朝早くから、すぐ近くにある「ブリヨン家の墓」を見て、近くにあるヴィラ・エマに直行、ここもパラーディオの設計です。庭には鉢にはいったレモンの木が沢山あり、イタリアならではの光景でした。

ヴィラの前の駐車場にはレトロなスポーツ車が何台も駐車してあり。思わず、「かっこいい~!」。


ここの館のコレクションかと思ったら、ちがうみたいで天気のいい日曜日に仲間同士でドライブのようでした。でもヨーロッパではこういう何十年もの前の車を大事に使ってますね~。


エマ邸を出て、画家ジョルジョーネの生誕の土地カステルフランコという古い城下町によってから、トレヴィーゾの街に到着。朝からノンストップで動き廻ったため足はクタクタ、静かな広場のカフェにて一休み。トラメッジーニとうイタリア独特の一口サンドイッチを三個ほうばりました。美味しくて濃~いカフェを飲んで飛行場に直行。


丘の上の街(ヴェネト3/4)


バサーノを後にして、15分程また東にマゼールという村にある邸宅ヴィラ・バルバロを見学したあと夕方、アゾロという街にて夕食、小高い丘にある街。ジブリ映画に出てくるような街並です。店頭のメニューをみてふらりと入ったレストラン、マダムが奥へ奥へと導くので着いていくと裏には素晴らしい景色を望めるヴェランダでした。

ちょうど季節の、この地の名物白アスパラ料理を食べました。コーヒーの頃にはブルーに包まれた景色のあちこちに光が灯りはじめてました。で、食べるのに夢中になって写真撮るの忘れてました。ブロガー失格。。。

ま、すごく美味しかったから良しとしましょう。

街にはやはり高級なグラッパ専門店がいくつかありますが、どれもとてもディスプレーもしゃれていて店が閉まっていても綺麗です。

車をとめた広場には泉があり、ヴェネト地方の象徴である羽付きのライオンが見守るかのようにたってました。

2009/06/26

グラッパ(ヴェネト2/4)


マロースティカの街から数分東へ行くと、バサーノ・デル・グラッパという結構大きな街に着きます。蒸留酒グラッパで有名です。街にはブレンタ河が流れ、そこには素晴らしい木の橋が架かっていてます。ルネッサンスの巨匠パラーディオの設計、16世紀に建てられてから18世紀と第二次大戦後と二度建て替えられましたが、いづれもパラーディオの設計図通りにつくられています。

橋のたもとには、グラッパ専門の古いバーがあり、奥の部屋から外を見ると、シャープに河の流れを切る橋の支柱の形が綺麗にみえます。これが石だとこの形だと水の勢いで流されてしまうらしいです。柔らかく弾力性のある木だから壊れないらしいです。ただただ感心させられました。


さくらんぼの季節(ヴェネト1/4)


先月ヴェローナに仕事で打ち合わせがあり、週末はその近郊をまわってみました。写真はマロースティカという街、ここで15世紀からずうっと続いてる人間チェスで世界的に有名です。お城の前の中央の広場には特大のチェスの基盤があります。

後ろの丘には城壁が中世のまま残っており、ヨーロッパで最も忠実に城跡が残ってるところらしいです。あまりに綺麗に残ってるので映画のセットのようでした。


丁度さくらんぼの季節のはじまりだったので、産地であるこの辺の道路脇には「さくらんぼ売り」があちこちに立ってて、皆車から降りて買ってました。面白いのは、ここではこの種のさくらんぼを『フランチェーゼ』(フランスのって言う意味)と呼んでます。一キログラム、2ユーロでおつりがきました! 太陽がいっぱいで美味しかったです。

2009/06/25

くつろげる空間。。。


最近とても気に入っている場所があります。それは「Panthéon café」ソロボンヌ大学の並びにある映画館の二階にあるカフェです。

2009/06/22

六月の花


5年程前に友人からもらって植えたあじさいの花が 、今は大きくなって沢山の花を咲かせます。しかし、最初貰った当時はブルーだったのが最近ではピンクになってしまいました。何故だろうと思ってると、土のPH分が多ければ青くなると言うので、春先にそういう薬品を園芸ショップで買って半信半疑で根元に蒔いていたのですが、
咲き出した花はピンクからブルーのグラデーション。。。少しは効果があるのだと関心。ただ調べてみると土の酸性分だけが原因じゃなく、もうちょい複雑のようです。
このアジサイは ガクアジサイ(Hydrangea) と言ってアジサイの原型だそうです。この綺麗な花びらのような部分は実はガクで真ん中にある小粒の蕾のようなものがアジサイの花です。蜂さえ間違えるらしいけど、これって凄い話ですよね。
そして、先週から毎朝白い三枚の花びらの花が咲き出しました。綺麗です。名前はよくしらないんですが「露草」の一種らしいです。


2009/06/15

Dolce Vita

最近ではフランスでもホーム・シネマが流行していて、ビデオ・プロジェクターをリビングに設置して映画鑑賞をしてる友達も何人かいます。でもまだ僕は映画は大画面で見る事にこだわりがあり、なるべく映画館に行くようにしてるんですが、でも古い名画などはやはりDVDで見るしかないですね。
ただ残念ながら、パリには『TSUTAYA』という便利なものがないので結局、僕は大抵中古屋さんでDVDを買います。でも最近では市の図書館にも豊富にDVDコレクションがそろいだし、市民だと僅かな年間会費だけで自由にレンタルできるようになりました。ただ不便なのは夕方早く閉館してしまう事です。

先日ローマに寄り道したのに、あまり市内を見学できなかったのが残念だったのもありローマの映画をみたく思い。昨夜は「買いだめ」してまだ見てないDVDの中からフェリーニの『甘い生活』を見ました。アニタ・エクバーグの奇跡のようなボディーも凄いけど、主人公のマルチェロ・マストロヤーニの名演技に魅了されてしまいまいた。


2009/06/13

寄り道

ヴェニスを後にしてローマに到着。飛行場でパリから来た建築家の友人と待ち合わせ。先週オープンした彼がディスプレーを携わった展覧会の最後の打ち合わせと、会場の写真撮影のためにカメラマンを連れてやってきました。僕が着く10分前に彼らは着いていてグッドタイミングです。三人でタクシーに乗り会場へ直行。着いたのは Palazzo del Esposizioni。
その展覧会はブルガリが創業125周年を記念してその歴史をたどる回顧展。小さなジュエリーを大きな会場で見せるというのは難題で、彼は随分と悩んでいたけど、幕を開けるとなかなか素晴らしい出来でした。会場は8部に構成されており、半透明に淡く光る大きなイメージ写真が会場全体を包み、部門ごとにイメージのテーマもかわり、なかなかいい雰囲気が出てました。
彼が言うにはとにかく工事期間がすごく短いのが一番の問題だったらしく、その為に倉庫で全部作り、それを組み外して現場では組み立てたりとかしたらしいです。あと宝石・貴金属だから警備がものすごく厳しく業者の出入りが普段の現場とまったく違ってその調整が大変だったそうです。
彼が業者さんと最後のやり直しや追加作業の微調整の打ち合わせをしてる間、僕はカメラマンにくっついて見て回りました。結局会場に3時間以上いたので、予定していた街の中心にあるカフェまでいく時間がなく、会場のすぐそばのカフェで一休み。彼らもほぼ同じ時間の便だったので、また三人一緒に飛行場へ直行しました。

2009/06/11

古びた鏡

飛行機の時間前に、一時間足らずの駆け足訪問でしたが朝一番でクェリーニ・スタンパリア美術館に行きました。ここの所蔵コレクションの一番の目玉はベリーニの大作で、最上階のギャラリーでは現代作家モナ・ハトゥン展が開催されてました。
この18世紀の建物はカルロ・スカルパの設計で1960年代に改装され、彼の繊細なディティールが所々にあり、特に中庭の水を駆使したデザインがしゃれていて、思わず写真に撮ったら、監視の人がドタドタ走ってきて、企画展以外は「撮影禁止」だと言われ、スミマセン。

2009/06/10

イカ墨ソースとポレンタ/アル・ヴェドヴァAL VEDOVA

ヴェネチア最後の夜を、ビエンナーレを見にパリから着いたばかりの友人達と過ごしました。先日いったテラットリア『アル・ヴェドヴァAL VEDOVA』に9時半に予約。まずは彼らが借りたアパルトマンの上にあるテラスでアペリティフ。
苦労してつくった桃のジュースとスーパーで買ってきたプロセコ・ワインで『ベリーニ』を作りました。ハリス・バーで飲むような味には程遠いけど、テラスから眺めるヴェニスのパノラマ風景の向こうに沈む夕陽を見ながら最高にロマンチック。

そしてレストランではプリミピアッティはヴェニスに来たら必ず食べるスパゲッティ・アル・ヴォンゴレ。味は言う迄もなく最高!そしてセコンディピアッティはこれもヴェネチア名物、イカのセッピアソースにはヴェネチア風ポレンタがついてきた。柔らかく一見ピューレに似た感じの all'onda(波打つ)と呼ばれる白いポレンタ。料理が出てきた時は、その白黒のシャープな美しさに皆が思わず歓声!やはりヴェニスならではの美的感覚に感動。そして口に入れてまた歓声!!!


聖ジョルジョ



ヴェニス最終日、ひときわ陽の光が美しい。グラン・カナル(大運河)を出ると正面に水面に浮いているかのように聖ジョルジョ・マッジョーレ教会の真っ白いファッサードが現れます。ドラゴン退治で有名な聖人ジョルジョ(ゲオルギオス)を祀った教会です。ここの塔の上から見えるヴェニスの風景は最高。

水上バスを乗り換えて島にわたり、教会の中にはいると、ひんやりとしてとても涼しい。祭壇にはティントレットの遺作『最後の晩餐』があります。そして奥にあるエレベーターを使って上に登りました。閉館間際だったから人数も少なく、ゆっくりできました。

風が少しあったけれど、やはりその絶景に感激。屋根のてっぺんには聖ジョルジョの像、左に見えるのがヴェニスに添えるように横たわるジュデカ島。
南を見ると小さな島々が遠くに見えるリド島まで点々と続いているのがみえます。そして下に降りようと思って振り返ると、さっき迄、僕がいた場所に素敵な女性の後ろ姿が。。。絵から出てきたようなシーンに思わずパチリッ! そして、

カメラを下ろしたその直後に、強い風が吹いてきて、彼女の白いスカートの裾が軽やかに持ち上り、マリリン・モンローの名場面のような、夢にも想像しなかったな光景を拝めました。風景に見入ってる彼女はまったく気づかない様子。一瞬の出来事でしたが、こういう状況って映画の中だけだと思ってました。聖ジョルジョに感謝です!さすがにカメラを構える勇気はなかったけれど、っていうか構えるの忘れてました。(笑)
そしてちょうどこの時に頭の真上で6時を告げる鐘がガラン、ガランとすごい音を立ててなりだしました。耳を塞ぐ我がマリリンの手に持つガイドブックはフランス語版。。。「一人でヴェニスに来たのだろうか?」「誰か連れがいるのかな?」なんて勝手な想像を膨らませながら、エレベーターを降りました。

ビエンナーレを見るために、今朝パリからついた友人達と落ち合う約束の時間がとっくに過ぎてしまってました。イケナイ、イケナイ。
水上バスが遅れたとでも言っておこう。。。

2009/06/09

Harry's Bar


そのドライマルティーニで有名な『ハリス・バー』、文豪ヘミングウェイやチャップリンのお気に入りのバーでした。パトロンのチプリアニ氏は、今では世界的にポピュラーになった料理「カルパッチョ」を考えた人です。それは戦後いた米軍の兵隊が生肉のタルタルステーキしか食べないのに嫌気をさして、牛肉を薄切りにしパルミジアーノ・チーズの薄切りを加えて出したのが始まり。切られた肉の表面が空気に触れて真っ赤になるを、ヴェニスのルネッサンス時代の巨匠ヴィットーレ・カルパッチョが描く赤にたとえて『カルパッチョ』と名付けました。
それからプロセコワインとピーチの汁を使ったあの有名なカクテル 『ベリーニ』も彼が考えだし、その名もやはり巨匠ジョバンニ・ベリーニからとってます。粋ですね〜、ホントに。

2009/06/08

Venice by night



ヴェニスには素敵な広場(Campo)が沢山ありますが、西のはずれにあるサン・マルガリータ広場が気に入ってます。もっとも庶民的な広場で学生たちがよく集まる場所、レストランやカフェが数件ならび、夜は土地の人たちで賑わいます。ヴェニスに来たらいつも必ずこの辺を散策します。

小さな路地を抜けるといつの間にかサン・ロッコ広場にでて、ライトが真っ白な建物を闇に際立たせていて、絵の中に入ったような感じです。
水上バス乗り場に急ぐ途中の路地に、いい雰囲気のカフェバーがあり、若者達がおしゃべりに花を咲かせてました。窓際には素敵なカップルが、あのオレンジのアペリティフを飲みながらいい感じ。。。ヴェニスはやはり恋人の街ですね〜。


Viva Italia !!!



ヴェニスに潜水艦出没? 
これはロシアのアーチスト、ポノマレフの作品。街はビエンナーレで盛り上がってます。会場はそこらじゅう沢山の人で大賑わい。
素晴らしいシュールレマリズム作家を展示するグッゲンハイム・コレクションには人気現代作家であるベルギーの彫刻家ウィム・デルヴォイの黒い『鉄の塔』が水際に設置されてました。
グラン・カナル(大運河)の先端に、長い間廃墟になっていた昔の『塩の税関』の建物が改装され、新しくオープンしたのはフランソワ・ピノー財団で彼の現代美術のコレクションが展示されてます。設計は安藤忠雄氏ですが、古い歴史ある建物の中に新しいデザインをとりいれるというのは至難の技。そういう事には、ヴェニスの建築家スカルパに代表されるように、イタリアでは昔から伝統的に優れてますね。果たして安藤氏の仕事はどう評価されるでしょうか。。。
そういえば、82年に初めてヴェニスに来た時に、恒例の7月の第三土曜日のヴェニスの水上花火をこの先端で見ました。沢山の人がいたけれど、皆が親切にジャポネを前に通してくれ、最高の場所でみれました。それまでは『花火は日本』と高をくくってましたが、とんでもない大間違いで、今迄に見た中で一番美しい花火でした。そういえば、その数日前にワールド・カップでイタリアが優勝した時で、『VIVA ITALIA !!!』(イタリア万歳)というと皆喜んで、前に通してくれたっけ。。。この建物の前を通るといつもその時の事を思い出しニヤリとします。