ヴェニス最終日、ひときわ陽の光が美しい。グラン・カナル(大運河)を出ると正面に水面に浮いているかのように聖ジョルジョ・マッジョーレ教会の真っ白いファッサードが現れます。ドラゴン退治で有名な聖人ジョルジョ(ゲオルギオス)を祀った教会です。ここの塔の上から見えるヴェニスの風景は最高。
水上バスを乗り換えて島にわたり、教会の中にはいると、ひんやりとしてとても涼しい。祭壇にはティントレットの遺作『最後の晩餐』があります。そして奥にあるエレベーターを使って上に登りました。閉館間際だったから人数も少なく、ゆっくりできました。
風が少しあったけれど、やはりその絶景に感激。屋根のてっぺんには聖ジョルジョの像、左に見えるのがヴェニスに添えるように横たわるジュデカ島。
南を見ると小さな島々が遠くに見えるリド島まで点々と続いているのがみえます。そして下に降りようと思って振り返ると、さっき迄、僕がいた場所に素敵な女性の後ろ姿が。。。
絵から出てきたようなシーンに思わずパチリッ! そして、
カメラを下ろしたその直後に、強い風が吹いてきて、彼女の白いスカートの裾が軽やかに持ち上り、マリリン・モンローの名場面のような、夢にも想像しなかったな光景を拝めました。風景に見入ってる彼女はまったく気づかない様子。一瞬の出来事でしたが、こういう状況って
映画の中だけだと思ってました。聖ジョルジョに感謝です!さすがにカメラを構える勇気はなかったけれど、っていうか構えるの忘れてました。(笑)
そしてちょうどこの時に頭の真上で6時を告げる鐘がガラン、ガランとすごい音を立ててなりだしました。耳を塞ぐ我がマリリンの手に持つガイドブックはフランス語版。。。「一人でヴェニスに来たのだろうか?」「誰か連れがいるのかな?」なんて勝手な想像を膨らませながら、エレベーターを降りました。
ビエンナーレを見るために、今朝パリからついた友人達と落ち合う約束の時間がとっくに過ぎてしまってました。イケナイ、イケナイ。
水上バスが遅れたとでも言っておこう。。。