3D映画

巷で話題の映画『アバター』を見てみようかと思い立ったのですが、見た人たちは皆『3D』で見ないとダメと口を揃えていうんで、『3D上映』している映画館を捜して行ってみました。でも週末だった事もありすでに長蛇の列。いい場所をとれそうもなかったので諦めました。

『3D映画』は、昔は『ステレオスコープ』と言われ、50～60年代に結構流行りました。その中でも有名なのは何といってもヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ』。ヒッチコックがグレイス・ケリーを採用した最初の映画です。ケリーは彼の映画に立て続けに３本出演しており、そのどれもが傑作です。

この映画の内容は「密室での完全犯罪」をあばくものですが、舞台の殆どが主人公の家の一室だけなんで、見ていてその圧迫感がスリリングを盛り上げます。そしてその中でのステレオスコープ撮影のためのカメラワークが見事です。ゆっくりカメラが動く「トラッキング・ショット」が素晴らしい。勿論、普通の上映でも十分面白いのですが、15年程前にパリでリバイバルで「ステレオスコープ上映」されたのを眼鏡をかけて見たのですが、その効果に驚きました。何気なく前景にあるオブジェがステレオ効果を大きくしてあり、「完璧主義者」である彼の感性がよく伝わってきます。そして彼の金髪の絶世美女たちをじわじわと陥れるて行くちょいと「S」な演出で有名なヒッチコクの作品のなかでも、これは最たるものの一つです。。。

ってことで『アバター』諦めて家に帰ってDVDでこの映画を久しぶりに見ました！やはり何度見ても面白いです。そしてグレイス・ケリーの白い絹のランジェリーの美しい姿が何ともエロチックです。。。もがきながら彼女が右手でハサミを捜すシーンは僕の映画史に残る名場面ですね～。（笑）